いつも何かをしていないといけない。
止まることが、少し怖く感じる。
情報やスピードに包まれた今の社会では、
休むことが上手にできなくなっているように思います。
けれど本来、休むことは立ち止まることではなく、
いのちのリズムを整え直す、大切な時間。
お茶を淹れながら、湯気の向こうにぼんやりする。
花をいけながら、手の感覚だけをたよりに動かしてみる。
そんな何気ない瞬間の中で、
わたしたちの中では静かに神経がつながり、
思考や感情が整理されていくのだそうです。
脳の中には「DMN(デフォルトモードネットワーク))」という
ぼーっとするための仕組みがあって、
実はその時間こそが、心を整えるための大切な余白。
茶道、花道、香道など日本の道には、
自然とともにいのちのリズムを整えていく智慧が宿っています。
手を動かし、香りや光、音と響き合うたび、
心の奥の静けさに出会い、
未来の自分へとやわらかくつながっていく。
そんな小さな時間を、
広げていきたい。